この記事を読んでいるあなたは、IT業界へジョブチェンジするために勉強している途中かもしれません。IT業界では、パソコンの基本から、ネットワーク、データベース、クラウドなど、必要な知識がさまざまです。それらをはやく習得したいと、悩んでいるかもしれません。そうするといかに効率よく学習していくかが大切になってきます。かく言う私も、日々の業務の中で足りなかった知識や資格取得に向けてスキマ時間でなんとか勉強を頑張っている途中です。
そんな折に出会った本が、樺沢紫苑さんが書かれた『学び効率が最大化するインプット大全』です。樺沢さんは精神科医としてだけではなく、YouTubeやセミナーなどでも活躍されている方です。この方はブログ毎日更新や本の執筆など、かなりのアウトプットを長年継続してこなされています。やはり知識は覚えているだけではなく使えるようにしたいので、こんなにアウトプットできる人は一体どんなインプットをしているのか、ヒントを得たいと考えて読んでみました。私の印象に残っているのは次の3点です;
- インプットは量より「質」である。
- 深読
- 情報対知識は「3:7」以下
です。これら3点について説明していきます。
インプットは量より「質」である
皆さまは勉強に対してどのようなイメージを持っていますか。少なくとも私は、教科書のスミからスミまで暗記して、テストでどんなことを聞かれても答えられるように、量をこなすことだと思っていました。しかし、大学の頃からこの勉強方法では、試験で良い成績を収めることができなくなっていました。社会人になってからも詰め込みの勉強を続けましたが、結局業務で役に立てることはできずにこの年になってしまいました。この年になって、一体何が原因だったのか、このまま勉強しても活かせないまま終わってしまうのかと悩んでいたときにこの言葉が刺さりました。
振り返ってみると、私は、教科書1冊読んだあとでも、読書をしたあとでも、記憶に残っている内容はわずかでした。かたや毎月数十冊の本を読んでいるインフルエンサーがいるので、きっと自分の頭の出来が悪いんだろうと悩んできました。しかしこの本を読んで、必要な情報に注力せずに不要な情報も覚えようとしてきたから、脳のキャパシティを超えてしまっていたということに気付かされました。
今後は、本を読んでいるその時点で重要だと思えたことに注力し、本から得た気付きを実践していけるように取り組んでいきたいと考えています。
深読
上記の内容と重複する部分がありますが、この言葉もかなり印象に残りました。樺沢さんが行った検証によると、本を読んでいる人に対して本の内容を覚えているか聞いたところ、ほとんど覚えていなかったという結果だったそうです。読書はいくら速読ができるとしても、それなりに時間がかかるものと私は認識しています。時間をかけたのに記憶に残っている内容が殆どなかったとなれば、その時間は無駄にしてしまったと言わざるを得ません。あなたの周りにも月に数十冊本を読んでいるという方がいるかも知れませんが、その方は内容を覚えているでしょうか。さらに、内容を覚えていたとして、知識として身についているでしょうか。かく言う私も本を読んでは挫折してを繰り返してようやく1冊読み終わったのに、蓋を開けてみれば内容を忘れてしまっています。読んでいるうちに、序盤から順に忘れていってしまう次第です。
だから、何十冊も本を読むのではなく、本の内容を説明できたり読書感想文を書いたりすることができる程度に1冊1冊をしっかり読み込んでいくことが大切だと、改めて認識させられました。樺沢さんはこの本の内容を説明できる程度に読み込むことを「深読」と定義されています。たしかに思い返してみれば、学生時代勉強しているときに参考書を取っ替え引っ替えしても、あまり成績は向上しませんでした。却って1冊に集中して仕上げたほうが、知識として身につきました。加えて言うなら、分野ごとに基本から応用まで縦断したほうが、自分の成長に繋がりました。
周りと比べるのは良くないということかもしれません。私は腹を括って1冊1冊を深読して、本を読んで得られた気付きから、行動につなげていきたいと考えています。
情報対知識は「3:7」以下
皆さまの周りには、いわゆる情報通と言われる方がいらっしゃるでしょうか。確かに、会話のネタとしては、色々情報を持っていたほうがいいと思います。私も会話のネタが尽きない同僚を見て、舌を巻いていました。ところであなたはどのような人物になりたいでしょうか。私は情報通であることをすごいと思う一方で、そうなりたいのかと自問自答したら違和感がありました。なぜなのか考えていたところ、この本から答えを得ることができました。
言われてみれば情報はすぐに古くなってしまいます。つまり、その情報を努力して手に入れたとしても、時間が経過してしまえば役に立たなくなってしまうのです。人として成長したいのならば、普遍的な知識を手に入れたいものです。そして、持っている知識を行動に移せるようになりたいですよね。
樺沢さんは持っている知識から行動できる人のことを知恵者と定義されています。そんな知恵者になることを目指したいものです。
今回は『学び効率が最大化するインプット大全』について、感想を書いてみました。この本の中には、私が感想を書いた他にも、樺沢さんの定義する「読む」、「聞く」、「見る」について、どのように行うことが大切なのか、エビデンスとともに書かれています。興味を持たれた方は、ぜひ読むことをおすすめいたします。
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